monokoyomi

もてない人間の雑記帳・ゆるく断捨離中

『半落ち』読了だけど…  


横山秀夫『半落ち』読み終わりました。
この講談社文庫バージョンでこの本を読む方は後ろのページを見てはだめです!
その理由は以下(壮大なネタバレです)
この著者の本を読むのは初めてだったので、途中で作者の経歴が気になって一番後ろのページを見てしまった。
そしたらその隣のページの右下に、
※2005年9月現在、骨髄バンクのドナーは、55歳が上限となっている
という注意書きを見つけてしまった…orzorz
これによって、ああー物語の一番の謎は骨髄バンクに関係してるんだなと気づいてしまい、それに基づいた自分の推理も概ね当たってしまったので面白さが半減いや、半落ちしてしまった…

警察の上層部である梶が、妻を殺したと殺害の「2日後」に自首するという出来事が起こる。
それはアルツハイマーが進行した妻に殺してくれと頼まれたことによる嘱託殺人だった。
梶は殺害から自首までの「2日間」についてだけは決して語ろうとしない。それは何故なのか。
(オチ)
梶夫妻は白血病で息子を亡くしており、それによる自責、後悔の念から梶は骨髄バンクに登録し、実際に1人の青年の命を救っていた。
息子も妻も亡くし、梶の「生きる理由」は命を救った相手、あるいはこれから救うことができる相手に他ならなかった。
空白の2日間、梶は自分がドナーとなった相手を探し、東京に出向いていたのだった。

個人的疑問点は、
・妻殺しと「空白の2日間」にそれほど直接のかかわりがあるわけではないのでは?
・各組織の確執についてあまり釈然としない
という2点。
前者は、梶が請われて妻を殺害したことと自らが提供した骨髄の持ち主を探し当てるための旅はそれぞれ独立したエピソードであって、極端な話頼まれなければ殺さなかったってことだよな、でもそれなら一度頼まれたくらいで殺人に踏み切るか?と少々疑問に思った。
後者は事実の捏造は後々どのように処理されたのかなどが書かれていないのでもやもやとしたものが残る。
特に「空白の2日間」の真実を報道した東洋新聞の記者が浮かばれない。

そもそも、空白の2日間、意外と大したオチじゃないよねっていうのもあるが、梶が正直にそれを発表していた所でやはり相手の名誉にかかわるから黙秘せざるを得なかったのかもしれない。
人って自分が墓場まで持っていくと決めたことはどんなに小さなことであっても決して口にしないものなのかもな。

それぞれの登場人物に焦点を当ててクロスオーバーしていく構成は面白いし、作者が新聞社に勤めていた経験があるだけあって、新聞記者の葛藤は知らない世界を知るきっかけとなった。
あのページさえ読まなければもっと感動できたかもしれないのにという悔しさが残る。
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