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もてない人間の雑記帳・ゆるく断捨離中

野沢尚『深紅』感想  

野沢尚の『深紅』を読み終わった。
以下ネタバレ含む感想
個人的には時間かけて読んだわりに得るものが少なかったなって感じだ。
一家殺人事件の生き残りである少女と、その犯人の娘(こちらも母親を前になくしており殺人犯の父親しか家族がいない)が出会うという話。
構想は面白い。でも、すっきりしない。
物語はまず12歳の主人公視点で家族の死を目の当たりにするまでの一部始終が描かれる。
次に犯人による上申書。どうしてこのような犯罪に至ったのか。
ここまでは緊迫感があって面白かった。
しかし、主人公が犯人の娘と対峙してからの展開がイマイチ。
主人公は最後まで自分の正体を犯人の娘に明かさないし、犯人の娘は主人公に唆されて夫の殺人未遂をするが、それは裁かれなくていいのかというのが個人的に釈然としないポイント。
主人公には恋人がいて、結局はその恋人とハッピーエンドだ。
どういう理由かはわからないが(多少本人が主人公への思いを吐露する場面がある)、恋人は主人公に無償の愛を注ぐ。
結局は恋人の存在があるからあまりにも重い過去を持つ自分も生きていけるっていうリア充じゃんかよ安っぺーなとか思ってしまった。
対比の表現なのかもしれないが、犯人の娘はDV夫との共依存的生活。挙げ句暴力→流産が前述の夫殺害計画の建前になる。
主人公は意外と自分が好きなんだと思うな。
この主人公にあまり感情移入できなかったことが今持っている感想の原因かもしれない。
死刑についてとか、被害者遺族、加害者家族それぞれの置かれる環境や思いなど作者が読者に考えさせたかったテーマは多々あるんだろうし、こちらも想像しようとするんだけど限界があった。
自分はとくに思想が豊かな方でもないからなぁ。
他の人の感想も気になるのでちょっくら色々見てきます。
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