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もてない人間の雑記帳・ゆるく断捨離中

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映画『セトウツミ』がものすごくおもしろかった  

映画『セトウツミ』を見てきた。
これがすごく面白かった。

どういう映画かというと、男子高校生が放課後に川辺で座って話してるだけの話。
劇的なことはとくに起こらない。
ただずーっと話してるだけで、映画の95パーセントがほぼ同じ画。
5月から始まって冬で終わるので一応季節が移り替わるくらい。
原作はチャンピオンで連載してる漫画で、そんな動きのない漫画を映画化しようという試みがまずすごい。
そしてこの映画をわざわざスクリーンの大画面で見るというのは贅沢な気分がしてよかった。


登場人物は高校2年の「瀬戸」と「内海」、そしてマドンナの「樫村さん」くらい。
瀬戸はひょうきんなお調子者で、誰とも屈託なく話すようなタイプなのに対し、内海は勉強ができて理屈っぽく、学校の中では他人を寄せ付けないタイプという対照的な二人が独特の間合いで会話をするというだけの話。
ネタバレも何もないんだけど以下見終わった上での感想。






基本的にギャグなんだけど、たまにしんみりしたりほほえましい気分になったりする場面がある。
内海は他の級友とは話すことを億劫がっているのに、瀬戸とはちゃんと話す。
バカだなと思いつつ、きちんと頭で考えたことを返す。
それは他の誰でもない「自分」に向けられた言葉だということを無意識に感じ取っているからだ。
瀬戸のほうも内海と対等に話して言葉がポンポン出る時点で頭の回転が速いのだと思う。
そして内海の言葉に一喜一憂したり感心したり疑問をぶつけたり素直なところがいい。
二人を見ていると、一人の人間の中の二つの要素を見ているような気分になる。
一人の人間を二つに裂いたみたいだ。
逆に言うと二人を合わせると一人のバランスのいい人間が完成しそう。

夏休みにいつもの川辺で花火をするシーンが特に好きだ。
わざわざ夏休みに会ってるんだとか思うとホンワカする。私服がそれらしくて面白い。

ラストシーンは冬なんだけど、これもすごくよかった。
「わたし内海君に嫌われてるから」と送ってきた樫村さんに、瀬戸が「俺は樫村さんのこと好きだよ」と送るのをやめて「あいつネクラやから」と打ち直すところでまたホンワカした。
お互いを分析してる所に友情を感じるというか、どうでもいい相手ではないんだなと思える。
友情って言葉に出したりわかりやすく可視化したりするものではないんだということを、この映画を使って世の中に声を大にして言いたい。

どんな過ごし方であれ(この二人なんて無駄話しかしてない)、10代を登場人物とした話が青春や少しの寂しさを感じさせる所以はその刹那性にある。
この二人も、きっと卒業したら会わなくなってしまうだろうなと思う。
自分にも覚えがあるけど、顔を合わせる場所があるから親しく話すけど、環境が変わってわざわざ約束したり待ち合わせてまで会う友達というのはかなり限られてしまう。
瀬戸と内海の交友は化学反応で、その出会いがそれぞれの事情によって生まれた自然の流れだったように、別れもまた外的要因に沿ったものになるだろう。
その予感があるので、一見どうでもいいような時間が見ている方にはとても貴重な時間に思える。
というか、思い出の中の劇的な出来事は「思い出」というラベルをつけてそれはそれとして必要なときに記憶を呼び出せるけど、ダラダラとした時間のほうは今と地続きでつながっている気がするのに二度と訪れないから振り返った時に感傷が伴う。
私の場合は、戻りたい時間として思い出すのはいつも無意味に学食でアイスなんか食べながら話していたあの時だ。

役者さんに関して言うと、瀬戸役の菅田さんと言えばグラブってる人で池松さんに至ってはよく知らないって感じだったけど、見終わるとちょっとファンになっている自分がいる。
瀬戸が話しながら学ランを脱いだりするのとか原作にはなかったけど、あーこういう高校生いるよなって思うくらい自然で、本当に現役高校生なんじゃないかと思えてくるから不思議だ。

なんかもう高校生可愛いわねぇっておばちゃん目線で見てしまった。
しかしこれは一種のファンタジーなんだと思う。
男子高校生というある意味未知の生き物の生態をのぞき見しているようでいて、実はきれいなものだけを集めたフィクションなのだ。
セトウツミのいいところは下ネタが出てこないことだけど、それ一つをとってもフィクションだよなと思う。
男子高校生だし。

久しぶりに創作物に対して熱の入った感想を書いてしまった。
続編作ってほしい。

(追記)
セトウツミのファンタジー感はらきすたやけいおんのファンタジーさと同じだと思う。
同じジャンルと言っても過言ではない。
女から見るとあんないい子ばっかりのほのぼの学園生活はありえないもんな。
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